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布合わせ


布合わせの愉しみは
ひとつの反物単位で完成されている世界と
またべつの完成された世界との
異質の出会いにあります

リメイク以前は到底出会わなかった  
帯地と帯地

例えばそれらも
一旦完成された世界を壊され
持っていた個性を残しつつ
お互いにひとつでは成り立たない
どこか未熟な部分を明け渡しあい
また別のひとつの世界を形成します
 

実際に布を手にとってみると
そのことはなんだか畏れ多く
ひとつのかたちに辿り着く過程と同じように
可能性を限定しようとする
自らの暴力的なものと
対峙しなくてはならないようでもあります

同時にそれは
かたまりこだわり
容易には明け渡さないわたしを
そのまま映しているようでもあり
本当は壊すことで開かれるはずだった
新たな可能性があることを
忘れていた自分に気づかされます

リメイクは
布合わせの愉しみを得て
ようやく二重螺旋を描いたようです



ゆりすこ * 着物リメイク * 11:48 * comments(1) * -

解くということ(2)



着物や帯にあらわされた色柄で
無条件に惹かれてしまうものがあります
ウィリアムモリスの壁紙や
エロール・ル・カインの絵をおもわせる
どこか異国の薫りがする表現を 
和布に見たとき
何故か胸が高鳴ります

洋と和という 異質のものがひとつになる
一見伝統と決まりごとの中にある着物の世界で
それを成した職人の 心意気を思うのです


そんな風に惹かれた布が 手元にいくつかあり
何度も手にして眺めながら 
使うことができずにいます
それらはあまりにも完成されていて
既に 着物になる以前に 一枚の絵のようで
最初見たときには 何を作ってもさまになる
と手にしたくせに
まるで浅はかだった気さえしてしまいます


考えてみれば 着物リメイクは
和布から洋服をつくるという 
異質なものをひとつにする行為であって
そこに価値を感じていた
わたしなのかもしれません
だからこそ どれも完成された
ひとつの意匠の着物や帯のなかで
既に洋と和が一体となっているそれらに
手を入れることが 殊更難しいのでしょう

それまで自分が依っていたものや 作り出していた狭い価値観
リメイクをしながら 何度もそれらに気づかされています
和布を作り変える前に まず解さなければならないのは
そういうことがらなのかもしれません
時には 既にこうして記したことすらも超えて




ゆりすこ * 素材のこと * 10:27 * comments(0) * trackbacks(0)

リメイク服のかたち(1)



初めてつくったリメイク服は
スカートでした
図書館でこの本を手にしたとき
並幅をそのまま繋げるところから始めて
いろんなバリエーションが生まれることに 新鮮な驚きを感じました
そして自分なりの工夫を加えて いくつかのスカートを縫いました
けれどトップスを作ろうと思ったとき
どこをどうすればいいのか判らず いろんなリメイク本を探してみると
洋裁の基本をもとに 素材を着物地に変えただけのものが沢山ありました

パターンを作って素材にはめこむ
その方法は 最初に限られた布幅ありきの発想とはまるっきり逆で
作りたいかたちがまずあることが必要です
いつも布を繋げながら考えていたわたしにとって
それは非常に違和感がありました

けれどもその一方で
直線から成るリメイクトップスの情報も得て
それでも服ができるならば いったいどちらがいいのだろうと
素朴な疑問を持ちました
ダーツや袖山をとって からだに添うかたちと
シンプルな直線だけからできるかたち
もちろん素人のわたしにとって 簡単に出来るのは後者ですが
ふたつとない生地を生かそうとするとき
自分の中に そのかたちを選んだ納得できる理由が欲しいと思えました



ゆりすこ * 着物リメイク * 11:51 * comments(0) * trackbacks(0)

解くということ(1)


裾裏にはさまれていたモスリンさいきんは 雑誌等で
着物を解かずに服を作る方法 
を見かけるようになりました
解くだけでとても時間が掛かるので 
簡単に という理由はもっともですし
もとの縫い目をこわすのが忍びない ということもあるかもしれません

けれどわたしはまず解きます 
洗濯より先に解くことが
とても大切になっています

縫い代の中には 埃や塵が溜まっていることがあって
それらは 解かずに洗っても そのまま残ってしまいます
また 着物はほとんどが手縫いなので 
洋服になった動きに 耐えられるかどうかが疑問です
手縫いだから駄目なのではなく 縫い手の仕事にもよりますが
単のウールなどは 大きな針目でざくざくと並み縫いしてあることが多く
ちからの掛かるスカートの後中心などに 
そのまま持ってくるのは 不安だと思っています

そういう現実的な理由のほかに
着物をかたち作っていた布たちを その役目からいちど解いてあげる
それが「解き」ではないかという気がしているので
その儀礼を通過してからでないと 新しく作り変えることはできません

綴じられた糸を ひと目ずつ解しながら
糸からはじまった 着物というかたちに向けての全ての仕事へのねぎらいと
洋服へとおおきく変えてしまうことを 赦し願う気持ちを込めます
それは 洗う以前に 古いものを扱うためには欠かせない
浄化の時間 でもあると思うのです




ゆりすこ * 素材のこと * 22:17 * comments(0) * trackbacks(0)

着物の生地の見分け方



着物から洋服を作るようになって 
一番悩んだのは素材の判別です

絹・ウール・木綿・麻・化学繊維 縦糸と横糸に別の素材を使った交織もあります
それらを わからないまま ステキな生地だと楽しむのはいいのですが
誰かに提供するとなると お手入れの方法も含め 素材についても
できる限り きちんとお知らせしなければ と思います
未仕立ての反物なら 端に表示がありますが 既に着物になってしまったものは
自分で判別するしかありません
普段着物をよく着る人や呉服屋さんでも 意外と詳しくは判らなかったりするのです

判断の基準としては
1:手触り
2:糸を燃やしたときの燃え方・匂い・灰の状態
3:洗ってアイロンを掛けたときの弾力性
などがあります

1で最も判りやすいのは 縮緬や錦紗などの柔らかくふっくらした正絹です
平織りの絹も シルク100%のスカーフのような感触です
同じ絹でも 例えば村山大島などは思いがけないほどぺたっとした感触なので
まずは表示のある反物などを触って 判りやすいものから覚えて行くといいと思います

2ではウールが髪の毛を燃やしたような匂いがして 大変判りやすいです
木綿は紙を燃やした匂いと似ています 線香花火の先に火をつけた時の匂いです
絹の匂いに関しては わたしはあまり自信がありません
絹100%と表示のあるものでも薬品臭いことがあり 
燃やした灰が かさっと崩れて初めて 絹かな?と思ったりします
福井秀雄商店さんでは 固まったままで崩れない灰は 化学繊維だと教わりました
ただ 崩れるから絹なのかというと そうでもないのがまたややこしいところです
画像つきの燃焼実験は鈴菜さんの「人絹と絹の検査方法」をご参照ください

3では絹か化学繊維かがよく判ります
洗って生乾きのうちにアイロンを掛けると
化学繊維の折り筋は戻りませんが 正絹はほとんど綺麗になります
逆に 正絹の生地にタックを入れようとアイロンを掛けても
時間が経つにつれ 少しずつもとに戻ってしまいます
絹はシワになりにくい というのは本当なのだと実感できます

1と2については昆布尚子さんの本にも少し記述があって 参考になります

ゆりすこ * 素材のこと * 12:04 * comments(0) * trackbacks(0)
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